AppleInsider: 詳細レビュー: Kindle 2、Apple TV の書籍版 [ページ 3]

原文: In-depth review: Kindle 2, the Apple TV of books [Page 3]

By Prince McLean
Published: Wednesday, March 4, 2009 09:00 AM EST
電子ブックカタログ
Amazon は過去一年にわたって、たんに自社のハードウェアを改善するにとどまらず、電子リーダーをとりまく状況の改善により多くを注いできた。 そして、コンテンツ側 にも大きな前進があった。 一年前の Amazon は、94,000 タイトルを誇っていた。それが今日では、Kindle のために 240,000 冊を提供している。
昨年当初は 8 紙だけだった新聞も、31 紙にまで拡大し、そのうちの 24 紙は合衆国からのものだ。 一年前はわずか 8 誌だった雑誌も、「The New Yorker」を含め、24 誌にまで拡大している。 310 種類のブログが昨年は提供されていたが、それが 1315 にまで膨れ上がっている。 もっとも、ほとんどのブログは Kindle のスクリーンに最適化されていない。 加えて、ウェブで自由に利用できるブログエントリーにアクセスするために、誰が追加料金を払いたいなど考えるだろう? 
また、フリーなパブリックドメインに置かれた書籍のライブラリーもあり Kidle で読めるようになっている。これらは、Amazon が所有もしている Mobipocket によって提供されているものも含む。 ところが、Mobipocket が提供する有料の電子ブックセレクションは、Kindle で閲覧できない(さらに、AmazonKindle タイトルも、互換性の問題から Mobipocket によってサポートされているプラットフォームでは閲覧できない)。 もっさりとした E Ink のスクリーンによって幾分めんどうなものの、統合された便利な Amazon Store をナビゲートするのは難しいことではない。 ストア内でページを読み込むために 1 〜 2 秒ほど待たされるものの、同梱されているワイヤレスサービスによって、Sprint の 3G EVDO サービスが利用できる場所であれば、ほぼどこでも利用できるので、簡単にコンテンツを入手できる。

Kindle 2.5: お手持ちの電話にあるものと同じコンテンツ
Amazon は、新しい Kindle 2 を紹介するにあたり、すでにユーザーがもっているデバイスを経由しても、自社の Kindle コンテンツを消費できるように解放するプランも発表した。 そう、携帯電話だ。 同社は、まだ詳細のすべてを公表してはいないものの、ちょうど今日、iPhoneiPod touch のオーナーが自分のデバイスから Kindle 電子ブックコンテンツのラインアップにアクセスできるようにする、新しいアプリケーションを発表した。
消費者がどう反応するか楽しみである。 別途 360 ドルを支払って持ち運ぶことなく利用できる電子ブックを歓迎するのだろうか? 自分のスマートフォンに加えて Kindle も利用し、読者がその時々のニーズに合わせて電子ブックの同期するという、エコシステムをつくりあげるのだろうか? それとも、彼らはより書籍に近い Kindle を好むのだろうか? あるいは単にデジタルブックを無視して、紙書籍のままでいるのだろうか? 
判決はまだ確定していないが、これからの一年で、この問いにたいしてかなり決定的な回答が帰ってくるはずだ。

まとめ
Kindle 2 は、電子ブックを蘇生させようとする Amazon の努力を補強するもので、初期のハードウェアに大幅な改善を施したものになっている。 同機は、書籍における iPod(もしかしたら、Amazon CEO Jeff Bezos が自らの「趣味」として言うべきだったのは「書籍の Apple TV」だったのではないか)にはなるべくもないが、紙書籍につきものの重さや遅さに悩まされることなくコンテンツを入手できる、その利便性と手軽さによって、より多くの熱心な読者が Kindle への投資を考えるきっかけにはなるかもしれない。
Amazon がその売上げを三倍に伸ばすことができたとしたら、少なくとも Apple TV との 均衡を達成 することになり、電子リーダー市場において Amazon はそれに相応しい足がかりを打ち立てることになる。もっともそれは、デジタルビデオ TV セットトップボックスとして、切り込んでいくのと同じくらい大変なことのように見える。
たとえそこそこの成功を収めたとしても、Amazon は、デジタル配信からかなりの倹約ができることに気づくはずだ。というのも、iTunes が音楽・ビデオ業界で成し遂げたように、出版ビジネスにつきものの物理的なパッケージや配達をしなくて済むことから、同社のオペレーションを環境に優しいものとする助けにもなるからだ。 Kindle 2 が大ヒットしなかったとしても、それは地球にとっていいニュースだ。

評価: 5 点中 3 点

3 つ星

メリット

  • 劇的に改善されたフォームと仕上げ
  • より良くなった画面リフレッシュレートとスクリーン
  • ナビゲーションの向上
  • より長いバッテリ駆動時間
  • まずまず広がりつつあるコンテンツのセレクション
デメリット

  • 非常にゆっくりした E Ink ディスプレイにより、閲覧がぎこちなく遅くなる
  • 実際にはポケットには入らないサイズ
  • 電子リーダーテクノロジーには適さないウェブ、ブログ、参照資料
  • 特にネットブックと比較した場合、価格が低くなったとはいってもかなり高価
購入はこちらから:

Amazon.com Kindle 2: $359

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