AppleInsider: Apple iPad ハンズオン(動画と写真)[Page 3]
原文: Hands on with Apple's iPad (with videos and photos) [Page 3]
Microsoft の Pocket PC や Tablet PC デバイスのようなスタイラスベースのタブレットとは異なり、iPad では完全に手を使え、ペンをなくす懸念もない。 目に見えるかたちではどこにも手書き認識が組み込まれていないが、動的なキーボードがやっていることに応じて切り替えられるようになっている(Apple の Numbers スプレッドシートアプリで特に顕著で、テンキーパッドを引き出したり、フルキーボードやその他の特殊な入力システムへと切り替えられる)。
また信じられないほど高速かつスムーズで、iPhone 3GS でさえやや遅く感じるほどだ。 私は iPad がおよそ 15 秒で起動するのを目の当たりにした。 しかし、iPad は何日間もスタンドバイの状態でいられるので、起動時間を待つ必要もない(Jobs によると、一回の充電で一ヶ月だとのこと)。
Apple は、その内部の仕様を広告する理由も持っていない(というのも、現時点では他のメーカーに自社プロセッサーをマーケティングしようとはしていないから)が、実際は、同社は独自カスタムによる「A4」と呼ばれる System on a Chip をビルドしているからだ。この「A4」から、今年発表された iPhone と iPod touch(今後 A2 でも使うことになるのだろうか?) と同じ命運をたどることが伺える。 Apple の新しいカスタム ARM CPU コアと I/O、そしてビデオチップは、恐ろしく速く、効率面で iPad のニーズに応えるべく高度にカスタマイズされている。
他の追随を許さない姿勢
Apple は、独自のバッテリーテクノロジーやプロセッサーやタッチスクリーンの専門技術を開発することの優位性を隠そうとはしていない。 言外には、他のいかなる企業も Apple が生み出したのとに匹敵するリソースを持ち合わせていない、という事実がある。 Jobs が指摘しているように、彼の会社はいまや、収入において世界最大のモバイルデバイスメーカーだ。 しかし、iPad はハードウェアだけの問題ではないのだ。 誰かがそれの複製を作ったとしても、ソフトウェアのエコシステムが必要になってくるのだ。
Apple は、独自に画期的なアプリを考えついて、生み出すことができるということをデモンストレーションするだけでなく、わずか数週間のうちに何かを生み出してくる複数の iPhone 開発者らからの印象的な成果もデモンストレーションした。 Apple が抱える iPhone 開発者らの部隊が動き出せば、iPhone で利用可能なアプリの一群が初歩的なものに見えるようになるだろう。 iPad は、リアルなデスクトップアプリを備えながら、iPhone のものにさらに磨きをかけて洗練されたマルチタッチ入力を擁している。
Google の Android や Microsoft の Windows Mobile は、あらゆるハードウェアーパートナーをもってしても、開発者らやアプリを購入するユーザーから同じ種類の注意を惹き付けることができていない。 Apple の新しい iPad は多くのレベルでユニークで、かつては精彩を欠いたタブレットコンピュータ市場において新たなる強力な挑戦者として姿を現した。 ライバルらがこれに対抗するには、ハードウェア面で追いつくだけでなく、メディアディストリビューション、開発者ツール、カスタマーベース、そして生のコンポーネントテクノロジー、そして驚くほどアグレッシブな価格設定と、あらゆる面で追いつかなければならない。
iPad は、iPhone の登場時と同じく、Apple をライバルをはるか後方に置き去りにしてしまったようだ。 同じような価格帯の iPhone や iPod touch の時と同じように、市場が即座に反応して、500 ドルのタブレットを購入するかどうかはこれからの話だ。
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