AppleInsider: Flash Wars: Flash に対する数多の敵と障害 [Part 2 of 3] [Page 2]

原文: Flash Wars: The Many Enemies and Obstacles of Flash [Part 2 of 3] [Page 2]

By Prince McLean
Published: Tuesday, May 6, 2008< 10:00 AM EST
Flash Lite での悪あがき
AdobeWindows 以外のプラットフォームでは程々から貧弱な Flash サポートしか提供できなかったという事実も大きな問題だ。 同社は「Flash 対応」のデバイスオペレーティングシステムの数を公表するのが大好きだが、そのうちのほとんどは最新の Flash 9 には対応せず、多くが Flash 5、6、あるいは 7 でスタックしているという事実は隠しているのだ。
モバイルデバイスは通常 Flash Lite を実行するが、これは Flash が備えるインタラクティブ性の最小限のサブセットしかターゲットにしていない。例えば、既存の Flash Lite 2.0 は 2003 年の Flash 7 ランタイムをベースにしている。 最近発表された Flash Lite 3.0 は、ウェブ上の Flash の一番の呼びものである Flash 動画を再生できる初めてのバージョンとなるだろう。
しかし、Flash LiteiPhone では動かない。 最近開かれた Apple株主総会Steve Jobs は次のように指摘している。曰く、Flash の Lite 版は「ウェブで利用できるほどの機能を備えていない」、つまり、デスクトップウェブブラウザー用に開発されたコンテンツを再生できないのだ。その一方で、完全装備のデスクトップ用ランタイムは、iPhone で「使用できるほど速くはない。」
AdobeFlash Lite プレーヤーを Symbian、Sun の Java ME、Qualcom の BREW、そして MicrosoftWindows Mobile を走らせているデバイスにバンドルしてきたが、ネイティブ開発をめぐってこうしたプラットフォームと競合してもいる。 こうした企業がこのことに気づいたら、MicrosoftWindows デスクトップでしたのと同じように反発したとしてもまったく驚くには値しない。 当然のことながら、Microsoft が自社 Silverlight のモバイル版を送り出せるようになれば、Flash Lite を置き換えようとしてくるはずだ。 これはさほど遠くないことであることは明らかだ。というのも同社は最近、NokiaSymbian S60 と Windows Mobileバイスで動作する Silverlight 2 のベータ版をデモンストレーションしているからだ。

貧弱なクロスプラットフォーム Flash ソフトウェア
スマートフォンPDA 以外で Flash の動作をサポートしているはずの PC 以外のデバイスも多くの場合、同じように時代遅れで不具合が多い。 Sony PlayStation 3NetFront ブラウザーを使用)や Nintendo WiiOpera)のウェブブラウザーは「Flash サポート」を提供しているが、Flash の古いバージョン用に開発されたコンテンツでしか動作しない。 Xbox 360Flash をサポートしていないし、将来にわたっても Microsoft がそれを提供する気がないのはほとんど明らかだ。
AdobeLinux Flash Player 9 を提供しているが、32 ビットの x86 マシーンでしか動作せず、64 ビット PC、ゲームコンソール、PowerPC プロセッサーを搭載したデスクトップ、あるいは ARM チップで動作しているほとんどのデバイスが除外されてしまっている。もっとも、NokiaAdobeLinux 向け Flash Player 9 を調整して ARM ベースの Internet Tablet 800 で利用しているが。
AdobeMac 上での Flash サポートもまた、Windows 以外のプラットフォームでは二流のサポートしか提供しないという Macromedia の伝統を受け継いでいる。 Mac は、Windows 以外のプラットフォームと比較すれば、モダンな Flash コンテンツの再生にもほとんど支障はないが、AdobeMac 用に提供している Flash プラグインはメモリーリークと安定性において深刻な問題を抱えている。 Apple が、こうした Flash の問題によって SafariMac デスクトップでの全般的な体験を台無しにされてしまうことに耐えられるはずもない。

強力な特許の脅威
Adobe による行き当たりばったりのサポートによって、サードパーティによる Flash プレーヤーの実装に関心がでてきた。 ところが、Flash の機能がなかったり時代遅れになっているプラットフォームに同プレーヤーの機能を提供しようと立ち上げられた Gnash や他のオープンソースプロジェクトは、プロプライエタリーソフトウェアを複製しようという努力につきものの、二つの大きな障害にぶちあたっている。
ひとつ目は、Adobe は勝手に新しいバージョンの作業を進める一方で、彼らは既存の Flash 仕様という動いていくターゲットをリバースエンジニアリングしなければならないことだ。 Gnash 現在、2003 年にリリースされた Flash 7 の機能と Flash 8 や 9 のいくつかの要素を一部サポートするのみだ。
ふたつ目は、あらゆるソフトウェアコンセプトが特許化されている現在の世界において、Flash のような何かを「クリーンルーム」で複製しようとする努力でさえ、作業が完了したはるか後になって潜水艦が浮上するように 特許権侵害訴訟 に見舞われかねないことだ。 こうした脅威によって、商業サードパーティがオープンな努力に参加・サポートして、既存テクノロジーのクローニングを手がけないことが多い。それは、その橋を渡ってしまうと特許を餌に攻撃されるかもしれないという恐怖からだ。 こうした恐怖は、Flash の単独実装に当てはまるだけでなく、Microsoft .NetSilverlightMacLinux の両方にオープンな互換性を提供しようとしている Mono や Moonlight オープンソースプロジェクトにも当てはまる。
オープンソースコミュニティーは、Flash を模倣することによってではなく、技術革新で Flash を引き立てることもできるはずだ。 オープンな標準がより優れた、より安全な開発基盤を提供できるのに、なぜプロプライエタリーなソフトウェアをコピーする必要があるだろう?  その一方で、次のことこそが GoogleApple、そしてその W3C パートナーである MozillaOpera がやろうと計画していることだ。 あらゆる Flash 必要性を排除していくことだ。 しかし同時に、Flash の背後には非常に大きな市場からのプレッシャーもあり、それが沈静化するのにはいくらかの時間がかかりそうなことがある。それをパート 3 で見ていこう: Open Screen Project で AIR のために戦う Adobe

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