AppleInsider: Apple の iPad の内側: Adobe Flash [Page 3]
Apple の iPad の内側: Adobe Flash [Page 3]
ビデオ配信でも衰えていく Flash
Flash はまたウェブでの主要な用途も失いつつある。 ほとんどのウェブビデオはこれまで、FLV ファイル(Flash のプロプライエタリーなネイティブメディアコンテナ)内で On2 のプロプライエタリーなコーデックでエンコードされて配信されていた。 しかし、もっとも進んだ開発では、MPEG-4 コンテナ(Apple の QuickTime コンテナフォーマットをベース)内のオープンな H.264 コーデック仕様への移行がおこなわれている。
Adobe でさえ Flash で内部の MPEG-4 コンテナで H.264 をサポートして F4V という名称で呼んでいる。 この進行中の移行にともなって、Google が YouTube で Flash から H.264 へと移行して証明しているように、ただビデオを配信するためであれば Flash を必要とする理由はほとんどなくなってしまうのだ。
Flash とリッチなインターネットアプリケーション
Adobe はまた、従来の印刷コンテンツのインタラクティブ版を提供するための方法として、リッチなインターネットアプリケーションを提供するための方法として Flex と AIR とを関連づけて Flash をプッシュしている*1。
Apple は iPad で、印刷開発者やコンテンツ企業を対象に替わりに HTML5 利用するというアイデアを推奨して、コンテンツにインタラクティブ性をもたせるためだけに Adobe にランタイム税を支払うのを避けるよう働きかけている。 Apple 自身はこれまでも HTML5 の主だった提唱者であり、JavaScript フレークワークを利用して MobileMe ウェブアプリのようなリッチなインターネットアプリを作成している。同社は SproutCore を利用してこうしたアプリを構築し、また音楽レーベルや映画スタジオとのパートナーシップで立ち上げたインタラクティブな iTunes LP や iTunes Extras コンテンツもある。
Google もまた HTML5 を利用したリッチなウェブアプリの開発でリードしている。これは同社の Chrome OS にも編み込まれた戦略だ。 Google の従業員らは Android の Java のようなプラットフォームを、Apple が自社の Cocoa Touch iPhone OS プラットフォームを説明したのと同じ長期的プラットフォームではなく、やがては HTML5 ウェブアプリによって置き換わる暫定処置であると説明したことがある。
Adobe Flash よりもオープン性を好む Apple
Apple は iPhone、iPod touch そして iPad に Flash を搭載しないことで、Flash や Silverlight のようなプロプライエタリーバイナリーではリーチできない豊富なユーザーという重要なインストールベースを生み出している。 こうすることで、モバイルアプリのための Apple 独自の App Store プラットフォームとオープンなウェブの両方に注意を向けさせることができ、開発者らには標準ベースのリッチなウェブアプリとオープンな仕様にもとづいたマルチメディア配布を擁護するように奨励することにもなっている。
対照的に Google もウェブでのオープンな仕様を忠実にサポートしているものの、Android の機能としてネイティブな Android アプリの魅力を損なうことにしかならない Flash 再生もサポートしようとしている。 Microsoft も同様に、スタイラスに依存したレガシーな Windows Mobile アプリをサポートしつつ、Flash と Silverlight をプロモートしようとしている。 Nokia の Symbian や Linux プラットフォームもまた自身のネイティブ開発を犠牲にしつつ Flash を採用している。
Apple は自社のライバルがより多くのプラットフォームをサポートすればするほど、App Store でモバイルデバイスに向けたトップの地位をリードする自社のポジションをより確実なものにできると認識しているようだ。 こうしたすべての事情から、同社の iPhone OS デバイス上では Flash ランタイムを目にするという希望はまったく残されていないことになるのだ。
Apple の iPad の内側: マルチタスクキング [和訳]
Apple の iPad の内側: VGA ビデオ出力[和訳]