AppleInsider: レビュー: Apple の early 2010 MacBook Pro [Page 3]

原文: Review: Apple's early 2010 MacBook Pros [Page 3]

By Daniel Eran Dilger
Published: Wednesday, April 28, 2010 07:00 PM EST
Arrandale によるアドバンテージ
単にクロックスピードを見てみると、新しい Core i5 および i7 MacBook Pro は、それらが置き換えることになった Core 2 Duo マシーンよりもやや遅いように見える。 しかし、ことなるチップアーキテクチャを比較する上では、クロックスピードはパフォーマンスレベルを測るものとはならない。
先代の 15 インチモデルでは Core 2 Duo CPU の 2.53、2.66 および 2.80GHz バージョンと 3.06GHz というオプションが提供されていた。 今回の新しい 15 インチモデルでは 2.4 または 2.53GHz Core i5、あるいは 2.66 GHz Core i7(17 インチモデルでは上位二種類のオプションのみ)が提供されている。
クロックスピード面での早さは劣るものの、新しい Arrandale チップは各クロックサイクルでより多くを処理できるために優れたパフォーマンスを実現している。 この理由のひとつとして、新しいチップのダイにメモリーコントローラが含まれていることがある(実際にはそのチップは Intel HD Graphics チップ内にバンドルされており、同じパッケージ内の CPU の隣に設置されている)。
この統合されたメモリーコントローラによって、CPU が RAM にアクセスするために外部チップと通信しなくても良いようになっており、同プロセッサが最大限にデータを処理できるような新しい効率性を実現している。 このため、クロックの各サイクルがより生産的になっているのだ。
加えて、この新しい Arrandale チップでは IntelHyperThreading を利用して 2 コアプロセッサ上で 4 コアのパフォーマンスを仮想化している。 このテクノロジーでは、利用可能なコアにできるだけ多くの処理を効率的にパッキングするようなかたちでタスクをスケジューリングしている。 実際のモバイル 4 コアプロセッサでも、これと同じ効率性は実現できない。 というのも、HyperThreading では 2 コアの部分が実際にはそれ以上のエネルギーを消費することなくより高いパフォーマンスを達成できるようにしているからだ。
同時に Arrandale ではまた、Turbo Boost と呼ばれる機能のおかげで、同時に複数のスレッドを利用できない場合にはその反対のことも行える。 チップはアイドルなプロセスコアを実質的にシャットダウンして、そのパワーをプライマリーへと割り振り、そのクロックスピードを上昇させて少しだけ高速に処理できるものを完了させることができるのだ。 これによって、2.66GHz Core i5 は利用可能な処理負荷におうじて 2.66、2.8 あるいは 2.93GHz へと上昇させることができる。
13 インチ MacBook ProCore 2 Duo のデザインであるため、この Arrandale の機能を利用できないのは非常に残念だ。 Apple は、プロフェッショナルモデルのエントリーレベルを確実に 1200 ドル以下にしておこうとしたのか、あるいはもしかすると、Core i3 や i5 を採用することで Arrandale コンポーネントの目新しさからエントリーレベルモデルの人気機種の供給が逼迫すると考えたのかもしれない。

レビューに見る新しい MacBook Pro たち
新しい MacBook Pro は昨年と同じく、薄く、丈夫で魅力的なモデルとなっているが、昨年統合型のバッテリーで実現された素晴らしいバッテリー持続時間を保ちつつ、処理およびグラフィックパフォーマンスで大きな飛躍を遂げている。
13 インチモデルは、エントリーレベルの白いプラスチック MacBook と比較してより明確なパフォーマンス差が見られるようになったし、メインストリームの 15 インチモデルでは新しい高速チップと素晴らしい見た目の高密度画面のためのオプションが登場している。 17 インチモデルは、非常に携帯性に優れた iPadペアリング することで、そのフルサイズのマシーンを常に抱えてまわらなくて済むことから、魅力度がアップしているかもしれない。

MacBook Pro と iPad
マイナス面について: 13 インチバージョンでは、高解像度画面のオプションもマット仕上げのオプションも、より高速なプロセッサオプションも提供されていない。標準で 4GB の RAM が装着されているものの、それは「Pro」マシーンと名乗るには最低限のことだろう。 どのモデルも、廉価な SSD のオプションがないが、これは SSD がまだ高価であることが理由だろう。 SSD によって大幅に目に見えるかたちでディスクパフォーマンスに差が出るため、Apple がもっとアグレッシブに SSD をプッシュしてくれたら良いのにと思う。
ほとんどの PC ノートブックとは異なり、Apple のラインアップでは Blu-RayHDMI 出力コネクタもサポートされていないが、新しいマシーンは Mini DisplayPort 経由でのオーディオ出力をサポートするようにはなっているため、Mini DisplayPort を経由して HDMI TV に向けて HDMI ビデオと高品位オーディオをルーティングするにあたっては安価なドングルがあれば大丈夫だ。
Apple がノートブックのユニボディ構造を導入して以来変更されていない特徴についてより詳しくは、AppleInsider による Apple のユニボディ MacBook Pro: 動画による詳細レビュー を参照のこと。 また最近発表された新しい MacBook Pro のファーストルックについては、 ファーストルック: 新しい 2010 17 インチ MacBook Pro と iPad とのペアリング を参照のこと。

評価:5 点満点中 4 点

四つ星

長所:
しっかりした構造
素晴らしいバッテリー持続時間
15 と 17 インチモデルでの強力な CPU および GPU アップデート
Mini DisplayPort への新たなオーディオ出力サポート

短所:
内蔵の HDMI ポートまたは Blu-Ray 再生機能の不在
手頃な価格での SSD、RAM のための BTO オプションが限られている点
13 インチモデルには Arrandale CPU オプションがない点

 前のページへ 前のページへ